基盤 (S) 「認知機能の多様性」

科学研究費補助金 基盤研究 (S) 「脳の一般原理に基づく認知機能の多様性発生機序の理解と発達障害者支援」
(研究代表者:長井志江,研究期間:2021年7月−2026年3月)

発達障害者の個性を生かすニューロダイバーシティ社会を実現するためには,認知機能における個人の多様性を,正しく理解し評価する枠組みが必要です.特に,多様性が脳のどのような基盤に基づいて発生するのかを解明することは,学術的に重要な課題であります.
本研究では,構成的・解析的アプローチを融合することで,人の認知機能における多様性の発生機序をシステム的に理解し,発達障害者の支援に応用することを目的とします.多様性の機序仮説として,脳の一般原理である「予測符号化」理論に着目し,予測符号化処理における予測・感覚精度や階層性,時定数などの変動が,定型発達者と発達障害者の個性を連続的なスペクトラムとして表現することを検証します.仮説検証の課題として,さまざまな認知機能の基盤である自己認知に注目することで,異なる感覚様式や認知レベルにおける多様性が,どのようにどこまで統一的に説明できるのかを明らかにします.本研究の成果により,すべての人の個性を正しく理解し,個性を生かす社会の実現に貢献します.

メンバー

  • 長井 志江(東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構・特任教授)
  • 熊谷 晋一郎(東京大学先端科学技術研究センター・准教授)
  • 和田 真(国立障害者リハビリテーションセンター研究所脳機能系障害研究部・研究室長)

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