CREST 「認知フィーリング」

戦略的創造研究推進事業(CREST) 「知覚と感情を媒介する認知フィーリングの原理解明」
(研究代表者:長井志江,研究期間:2021年10月−2027年3月)

本CRESTでは,マルチモーダルな知覚とそれに付随する情動的感覚の動作原理を,脳の一般原理である「予測情報処理」理論に基づいて統一的に解明することを目的とします.知覚に付随する情動的感覚とは,知覚が生成される情報処理過程に向けられた情動的な感覚のことを指し,知覚体験をどのくらい知っているのか(熟知感),それが確からしいのか(確信感),どのくらい現実味があるのか(現実感),そして流暢に処理ができるのか(処理可能感)などを含めて,ここでは認知フィーリング(cognitive feeling) (Bless & Forgas, 2000; Arango-Muñoz & Michaelian, 2014) と呼びます.これは,知覚の処理結果に向けられる情動的感覚,つまり感情(好/嫌,安心/恐怖など)とは区別して定義されます.私たちは,知覚体験に対する感情は認知フィーリングを媒介として生じるという仮説を立てています.本CRESTでは上記の仮説に基づいて,錯覚や幻覚・妄想という類似した知覚変容が,なぜ異なる感情を伴って経験されるのかを明らかにします.
上記の研究目的を達成するため下図の4つの研究グループを設置し,仮説生成・検証・修正のループを協働して繰り返すことで,認知フィーリングの動作原理の理解に迫ります.

メンバー

  • 長井 志江(東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構 特任教授)
  • 熊谷 晋一郎(東京大学先端科学技術研究センター 准教授)
  • 山下 祐一(国立精神・神経医療研究センター神経研究所 室長)
  • 鈴木 啓介(北海道大学人間知・脳・AI研究教育センター 特任講師)

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